埃をかぶった引き出しから
小さな箱を そっと取り出す
錆びた鍵を 回した瞬間
時間が静かに 戻ってきた
揺れる音色に 混ざるように
あなたの笑顔が 浮かんで消えた
「大丈夫だよ」って 言葉だけが
今も胸で 鳴り続ける
最後に鳴り響いたオルゴール
途切れた音が さよならみたいで
止め方さえ 分からないまま
涙だけが 溢れていく
戻れない日々を 抱えながら
私は今日も 耳を塞ぐ
約束をしまった 小さな箱に
未来はもう 入らなかった
優しすぎた 旋律ほど
胸の奥を 深く切る
ゆっくり削れる 金属の音
終わりが近いと 教えてる
それでも止められなくて
最後まで 聴いてしまった
最後に鳴り響いたオルゴール
あなたの代わりに 泣いている
消えない音が 残すのは
温もりと 痛みだけ
閉じられない 思い出を
抱きしめるしか できなくて
もしももう一度
巻き直せるなら
同じ旋律を
選んだだろうか
それでもきっと
あなたの笑顔を
探してしまう
最後に鳴り響いたオルゴール
止まった瞬間 息が詰まった
静寂の中 残ったのは
言えなかった ありがとう
終わりを知っても この音色を
私はまだ 手放せない
音の消えた箱を
そっと閉じて
夜が 戻ってきた。
